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心が強い子供になる『3つの感謝』

このHPのトップページ下部に記載してある【子供達にいつか気づいて欲しいこと】の1行目「感謝の気持ちが深い子は、人にも、道具や場所にも、時間にも感謝するようになり、素直になる。」を掘り下げて語ります。

ま、団長語録だけに、また長文ですけど(汗)

朝礼の校長先生の話みたいな入り方ですが(笑)・・・ミニバスケ(それ以外のスポーツ)をする少年少女たちには、3つの感謝の気持ちを持って欲しいのです。

@ヒトへの感謝
Aモノへの感謝
Bトキへの感謝

第一に「人への感謝」

「あなた達がバスケを続けられることは、誰に感謝する必要がありますか?」という問いに対し、多くの子供からは「監督」「親」と言います。

これは確かに間違いではありません。
プライベート時間を削ってまで、毎日・毎週のように子供達と真剣に向き合って頂いている指導者の方。
毎朝・毎週子供達よりも早く起きてお弁当を作って下さったり、応援に駆けつけて下さる保護者。
ときどき子供にとっては、指導者や親が口うるさい存在にしか見えない日もあるでしょうが、指導者と親の支えがあって、大好きなバスケが続けられることは最低限身を引き締めて理解して欲しいです。

そして、感受性の鋭いお子さんなら、次のことにも気づいて欲しいんです。
実は、感謝しなければならない方々は、もっともっとたくさんおられます。

練習試合や小さなカップ戦であろうと、大きな公式戦であろうと、みんなが好きな試合には、とても多くの人が支えてくださることを意識しなければなりません。
大会関係者、試合当日のボランティア審判、会場提供先の方々、多くの大人が支えてくださっていることに気づいているでしょうか?
さらに、そうした方は、試合の日だけ働きまわっておられるのではなく、開催準備に走り回ったり、打ち合わせに時間を割いたり、審判の方などは子供達のため に審判講習会などの勉強もされていたり、目に見えない努力も多くされています。特に、審判やTO席の大人は、試合では大きなプレッシャーを感じながら奮闘 頂いているのです。

そしてさらに…
感謝すべき相手はこうした「オトナ」の人達だけではないのですよ。

対戦してくれる相手チームの子供、TOをしてくれる他チームの子供…この子達も、あなた達と同じように、もしくはあなた達以上に練習して、同じ試合会場に来て対戦してくれるのです。

対戦相手は「敵」ですか?・・・もし、そういう考え方があるなら、少し残念です。
戦う相手はあくまでも「弱気になってしまいそうな自分自身」であり、対戦相手は「日頃の練習の成果を試すために対戦してくれる人達」と思えば、会場に来てくれただけでも感謝の気持ちが生まれませんか?
そう思えるなら、会場で他チームの子達に顔合わせしたら、自然と「こんにちは!」と大きな声で挨拶ができるはず。

あなた達のあいさつに「気持ち」がこもっていますか?
相手がどういう強さのレベルであっても「自分達のバスケをする強い意思」を持って、対戦相手に敬意を払ってあいさつしていますか?

さあ、もっと感謝すべき人を、身近に感じてみましょう…。

バスケは何人でするスポーツでしょう?
さらに、ミニバスケでは最低10名いないと、大会登録すらできませんよね?

日頃から、同じチームに入った友達に対し、感謝していますか?
お前、下手くそやねん!おれにパスよこせ!なんて思っていませんか?
10名全員で、意識レベルも技術レベルも一緒に高めていかないと、たのしいバスケはできません。
そうすると、まずは「チームに入ってくれたこと」に感謝すべきでしょう。
感謝の気持ちが強ければ、つらい練習でも厳しい試合の流れでも、仲間を励まし、仲間を勇気づけ、仲間と高め合うという気持ちと行動に変わるはず。

つまり、バスケに関わる全ての人に感謝できない人は、決して上手くなれません。


第二に、「モノへの感謝」

このモノというのは、バスケの道具というものだけでなく、場所も含まれます。

日頃練習や試合で使える自分達の体育館…当たり前のように使っているかもしれませんが、しっかりとバスケができる体育館がないチームもあるのは知っていますか?
体育館が毎日・毎週のように使えるということは、すごい幸せなことなんですよ。

体育館を使用させてくれている小学校の理解、地域の理解に支えられています。
そして、地域やチーム方針によっては、子供達のケガが少なくなるように、ワックスがけの状態を常にチェックしておられるところもあります。

そうした大切な場所である意識、感謝の気持ちがあるならば、練習前や練習後のモップ掛けなどは、気持ちを入れてしっかりやるはずです。
そういう意識で掃除もする子は、不思議と不用意なケガもしなくなります。

チームにたくさんあるボール…これは、おそらく先輩達が残していったり、保護者や地域の方々が提供して下さったものであることが多いと思います。
何の意識も持たず、当たり前のように日頃ボールに触っているかもしれませんが、多くの人の協力によりチームが手に入れた大切なボールという感謝の気持ちはありますか?

少しでも上手くなりたいという意識レベルの高い子、先輩方が残して下さったと感謝する子なら、ボールは大切にするし、少し空気が抜けてると思えば、自ら進んで空気入れのところに走っていったりします。

バスケットシューズ…決して安い買い物ではありません。
お父さんやお母さんが毎日働いて手に入れたお金で買って頂いたものではありませんか?その感謝の気持ちがあるなら、バッシュを絶対に床にポンっと投げたりする子はいないはずです。


第三に「トキへの感謝」です。

トキ…つまり、時間です。

どんなスポーツでも、時間を長くとって、じっくり練習したいところです。
しかし、どのチームも練習時間は限られています。

限られた時間の中で、どれだけ集中して、自分が成長できるために有効に時間を使うかがとても大切です。
特に、人への感謝にも通じる点ですが、監督やコーチ、練習に立ち会う保護者の方など、どれだけ多くの人の時間も使っているかも意識する必要があります。

今、練習できているという「時間」を大切に使って欲しいです。
「時間」を大切にする、「今という時間」を感謝する人は、練習中の指導者の言葉を一言も聞き漏らさず、チームメイトの動きもしっかり見るなど、「集中力」が高くなるはずです。

そもそも、バスケットボールは、時間のスポーツでもあります。
ミニバスケであれば、6分×4Q

1Qあたり6分の間で、最大のパフォーマンスを出し切り、残り時間何秒の間に逆転する、または、リードを守りきるという「時間」との戦いのスポーツです。
日頃から、「時間」を意識して練習しているチームは、絶対に強いし、また、「時間の使い方」がとても上手い。

したがって、日頃の生活でも、さっさと着替える。さっさと行動する。遊びと勉強の意識をさっさと切り替える。この「トキ」への感謝・意識を大切にして欲しいです。


「人に感謝する」「モノや場所に感謝する」「時間に感謝する」…この大切さに少しでも気づいてほしいです。


感謝の気持ちが深い子は、人にも、道具や場所にも、時間にも感謝するようになり、素直になる。
感謝の気持ちが強い子は、支えてくださる方への感謝に報いるためには「感動」という形で与える機会が必ず訪れる。
自分自身に強い子は、他の子にも優しくなれるし、仲間と高め合う意識が芽生える。
体格や身体能力の差に関係なく、コート上にはチームに貢献できる仕事はいくらでもある。
そうした事を理解して努力する子には、バスケットボールは正直に君達に応えてくれる。

__________

さて…

僕自身は、娘のバスケの「追っかけ」であり、一保護者であり、バスケ指導者でも教師でもありません。

3つの感謝の気持ちは、娘のミニバス時代、チーム存続の危機まで追いやられた超弱小軍団から、卒業する時には大阪市内敵無しの強豪チームへ変貌を遂げる際、娘とそのチームメイトの子供達に言い聞かせてきたことです。

感謝の気持ちが強くなると、不思議と子供達の行動が変わりました。
バスケも変わりました。
もちろん、美談だけではなく、途中、もどかしい局面など、苦汁の日々もありましたが、保護者会代表の立場で、一番嬉しかったのが、バスケを通じで子供達が人間的に少し大きくなったことです。

あくまでも稚拙ながらの経験談ですが、この「3つの感謝の気持ち」を子供達に気付かせるためには、親が変わらないといけないということを実感として持ちました。
その経験としてのエピソードを、以下二つ付記します。


一つ目は、「感謝の気持ち」は親のほうから先に子供に示そうということです。

ちょっとしたことでも「ありがとう」の数を、家庭の中で増やす事は、すごく大切です。
実は、「生まれてきてくれてありがとう」から始めて良いと思います。
そして、何気ない「電気つけてくれてありがとう」「お醤油とってくれてありがとう」「いいプレーを見せてくれてありがとう」「バッシュを大事に履いてくれてありがとう」など、いくらでも子供にありがとうという言葉を掛ける機会はあります。

「親に感謝しろ!」というのだけでは、まず子供の心には響かないようですね。
逆に、親から子供に感謝の気持ちを増やすと、不思議と子供から親への感謝の気持ちが増える気がします。
そして、日頃各家庭の中で「親から子へ」「子から親へ」「兄弟姉妹の子供同士で」どれだけ「ありがとう」という言葉を発するようになるかが、すごく大切ですね。

また、指導者との連携も大切です。

指導者が「おれに感謝しろ」…保護者が「私ら父母に感謝しろ」…子供にそれを言うのは、ナンセンスですね。むしろ、家では「監督や試合会場の方々に、どれ だけ支えてもらっているか」をじっくり子供に話すことですし、監督は「どれだけ家の人の協力があるのか、君ら肌で感じているか」を話してもらうことです。


2つ目は…モノへの感謝のところで、バッシュの話を子供達にしたときのエピソードです。
お金の意味をしっかり子供に伝えないと、子供の心には響かないということです。

「君達の大切なバッシュは誰に買って貰った?」と聞くと「お父さん」「お母さん」
「では、君らのお父さん達は、そのバッシュを買うお金は、誰から貰ってきたんや?」と聞くと、大半の子から帰ってきた答えが…

「お父さんが勤める会社の社長さん」

この子供達の回答って…ちょっと今の世の中を象徴しているのかもしれません。
「勤め先の社長からお金をもらっている」というのは、全く間違いではありませんが、それは社会の勉強としては、あまりにも寂しい話に思え、4〜5年生の子達に、次のような話をしました。

「君達のお父さんには、おそらく君たちのお父さんの働きに感動したり感謝して、お金を払ってくれる人がいるはず(働き=商品やサービス)。つまり、お父さん達にはお客さんがいてはるやろ?」
そういう話をすると、子供達は何となく話しに引き込まれます。

「お金というのは、エライ人から貰うんじゃなくて、人に喜ばれたり、助けてあげたりする…つまりお客さんが感謝の気持ちをお金にして払ってくれるのが経済 なんや。全てがそうとは限らないが、君たちのお父さんは、お客さんに喜んでもらう働きを毎日しているから、お金が入るし、そうしたお客さんの笑顔の積み重 ねのお金で、君達はそんな立派なバッシュが履けるんやで…。」

こうした話は、子供達が感動したりします。
単なる「買って貰った」ではなく、「どういうお金で買ってもらった」という話を理解してくれると、心の響き方が違うようです。

お金を「単なる物々流通機能」として味気ない無機質なマネーゲームと違って、温かみのある有機質なものとして子供に理解してもらうと、その温かみがモノ(バッシュ)に替わっていると捉えて、大切にしようとします。



1つ目も2つ目も、あくまでも体験談ですので、絶対的指標とは思えません。
チーム存続の危機まで追い詰められた超弱小軍団だった4年生時代には、ある意味開き直りで「ちょっとこの子らの励ましは、ドラマチックにしてやろう」と思っていたので、たまたまこういう接し方をした背景があります。

でも、「バスケを通じての人間形成」という観点では、社会の縮図や、現代社会で希薄になりがちな「人とのつながり・感謝」という点を絡ませて、子供に接することは、とても大切なんやないかと思ったりするわけです。

バスケ経験も浅く、指導者でもない僕の経験談では、参考にはならないかもしれませんが、バスケを通じて、多くの子供達の心が磨かれることを切に願っています。


ツイワク団の団長だったりする。

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